これって病気?円形脱毛症とAGAの見分け方|皮膚科に行くべき基準を解説
「朝起きたら枕に抜け毛がびっしり…」「鏡を見たら頭頂部が薄くなっている気がする」
鏡の前でため息をつく日々は、本当に心が休まりませんよね。しかし、その抜け毛が「治療が必要な病気」なのか、それとも「加齢や遺伝による薄毛」なのかによって、向かうべき場所や治療の進め方は大きく変わります。
実は、急激な脱毛や特定の疾患が原因の場合は健康保険が適用されるケースもあります。
この記事では、円形脱毛症とAGA(男性型脱毛症)の決定的な違いや、自宅でできる見分け方、そして「いつ病院に行くべきか」という具体的な受診の基準を優しく解説します。
1. 円形脱毛症とAGAの決定的な違い
一言で「薄毛」と言っても、その正体は全く別物です。まずはそれぞれの特徴を整理してみましょう。
| 特徴 | 円形脱毛症(病気) | AGA(進行性の薄毛) |
| 抜け方 | 特定の箇所が**「円形・楕円形」**に抜ける | 生え際や頭頂部から**「徐々に」**薄くなる |
| 進行速度 | 数日〜数週間で一気に抜ける | 数年単位でゆっくり進行する |
| 境界線 | 抜けている場所と周囲の境界がはっきりしている | 全体的に薄くなるため境界がぼんやりしている |
| 原因 | 自己免疫疾患、ストレス、体質など | 男性ホルモン、遺伝など |
| 保険適用 | 原則として適用される | 原則として適用外(自由診療) |
円形脱毛症は「身体のSOS」
円形脱毛症は、本来ウイルスなどから身体を守るはずの免疫機能が、誤って自分の毛根を攻撃してしまうことで起こります。これは「疾患(病気)」として扱われるため、皮膚科で保険診療を受けることができます。
AGAは「髪の寿命の短縮」
AGAは、男性ホルモンの影響で髪の毛が十分に育つ前に抜けてしまう状態です。命に関わる病気ではないため、見た目を整える「美容・審美目的」とみなされ、治療費は全額自己負担となります。
2. 自宅でできる「見分け方」セルフチェック
「自分の抜け毛はどっち?」と不安になったら、まずは鏡の前で以下のポイントをチェックしてみてください。
円形脱毛症を疑うサイン
「10円玉」のような丸いハゲが突然現れた
脱毛箇所の周囲の毛を軽く引っ張ると、痛みなくスッと抜ける
**爪に小さな凹凸(点状陥凹)**ができている(円形脱毛症によく見られる併発症状です)
眉毛やまつ毛など、頭髪以外の毛も抜けている
AGAを疑うサイン
額の生え際が**「M字型」**に後退してきた
頭頂部の地肌が透けて、**「O字型」**に薄くなっている
抜け毛を観察すると、以前より細くて短い産毛のような毛が増えた
父親や祖父に薄毛の人がいる(遺伝的要素)
3. 皮膚科に行くべき「受診の目安」とは?
「これくらいで病院に行ってもいいのかな?」と迷う必要はありません。特に以下のような場合は、早めに一般の皮膚科を受診しましょう。
すぐに皮膚科を受診すべきケース
頭皮にかゆみや痛み、赤みがある
脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患が原因で抜けている可能性があります。これらは薬で治る病気です。
フケが異常に多い
毛穴がフケで塞がり、炎症を起こして抜ける「粃糠性(ひこうせい)脱毛症」の疑いがあります。
短期間で一気に抜けた
自己免疫の異常や、内科的な病気が隠れているサインかもしれません。
専門クリニック(自由診療)を検討するケース
数年かけてじわじわと薄くなってきた
頭皮のトラブル(赤みや痒み)は特にない
「毛量を増やしたい」「今の状態を維持したい」という強い希望がある
この場合は、AGA治療を専門に行うクリニックの方が、最新の治療薬や育毛プランを豊富に提案してもらえるメリットがあります。
4. 費用を抑えて納得のいく治療を受けるコツ
「高い治療費を払いたくない」というのは誰もが思う本音です。
最初の窓口は「一般皮膚科」がおすすめ
原因が分からないまま専門クリニックへ行くと、いきなり高額な自由診療の契約を勧められるケースも稀にあります。まずは近所の皮膚科で「これは病気ですか?」と相談することで、保険が使えるかどうかの判断を仰ぐのが最も安全で経済的です。
治療の併用も可能
例えば、「円形脱毛症の治療は皮膚科で保険を使い、AGAの進行防止は専門クリニックのジェネリック薬を利用する」といった、賢い使い分けをしている方も増えています。
5. 日常のセルフケアで「頭皮の土壌」を整える
どんなに良い治療を受けても、髪を育てる土台となる頭皮が荒れていては効果が半減してしまいます。
シャンプーは指の腹で: 爪を立てて洗うと頭皮に細かな傷がつき、炎症の原因になります。
しっかり保湿: 洗髪後は頭皮も乾燥しやすくなります。低刺激のトニックなどで保湿を心がけましょう。
タンパク質と亜鉛を摂る: 髪の材料となる「タンパク質」と、合成を助ける「亜鉛(レバーや納豆など)」を意識して食事に取り入れましょう。
まとめ:悩みが深くなる前にプロの診断を
「まだ大丈夫」と放置してしまうのが、薄毛対策における最大のリスクです。円形脱毛症のような病気であれば、早期に治療を始めることで回復も早まります。また、AGAであっても、進行を止める薬の服用は早ければ早いほど毛髪を維持しやすくなります。
まずは、自分の頭皮で何が起きているのかを知ることから始めてみませんか?
もし「今の自分の抜け毛がどっちか自信がない」という場合は、まずは保険証を持って、お近くの皮膚科の門を叩いてみることをおすすめします。
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