車のリアモニターは本当に必要?タブレット代用で後悔しない後部座席のエンタメ術
家族でのドライブや長距離の旅行中、「後ろの席の子供が退屈して騒ぎ出してしまう」「渋滞中に家族が飽きてしまう」といった悩みを抱えるドライバーは少なくありません。そんな時に検討するのが**リアモニター(後席モニター)**の設置です。
しかし、ディーラーオプションなどで純正品を導入しようとすると、数万円から十数万円という高額な費用がかかることも珍しくありません。「せっかく高いお金を払って付けても、本当に使うのかな?」「スマホやタブレットで十分なんじゃない?」と迷ってしまうのは当然のことです。
この記事では、車のリアモニターが必要ないと言われる理由や、今話題のタブレット代用案のメリット・デメリット、さらに後付けで安く快適な視聴環境を作る具体的な方法を詳しく解説します。費用を抑えつつ、家族全員が笑顔になれる車内空間を賢く作り上げましょう。
リアモニターがいらないと言われる5つの理由
まずは、なぜ多くのユーザーが「リアモニターは不要」だと感じるのか、その主な理由を整理してみましょう。
1. タブレットやスマホの普及
現代では一人一台、タブレットやスマートフォンを持っている家庭が増えています。手元で好きな動画を自由に見られるデバイスがあるため、固定されたモニターをわざわざ車内に設置する必要性が薄れています。
2. 導入コストの高さ
純正のフリップダウンモニターやヘッドレストモニターは、本体代に加えて工賃が発生します。最新の映像技術を搭載したモデルは非常に高価であり、数年で型落ちしてしまうことを考えると、コストパフォーマンスに疑問を持つ人が多いのです。
3. 車酔いのリスク
リアモニターをじっと見続けることで、車酔いを引き起こす同乗者もいます。特に画面との距離が固定されている場合、視点の調整が難しく、せっかくの旅行が体調不良で台無しになってしまうケースもあります。
4. コンテンツの制限
純正ナビ連動のモニターの場合、再生できるメディアがDVDや地デジ放送に限られることがあります。YouTubeやNetflix、Amazonプライム・ビデオなどの動画配信サービス(VOD)を主流に楽しむ世代にとっては、機能不足に感じることがあります。
5. 視界の妨げ
天井から吊り下げるフリップダウン型の場合、ルームミラーの視界を遮ってしまうことがあります。運転の安全性に直結する部分であるため、設置を躊躇する要因となります。
タブレットで代用する圧倒的なメリット
高価なリアモニターを設置する代わりに、iPadなどのタブレットを車内で活用するスタイルが今、非常に支持されています。その具体的なメリットを見ていきましょう。
コストの大幅な削減
すでに所有しているタブレットを使えば、実質的な費用は車載ホルダー(数千円程度)のみです。新しく購入する場合でも、リアモニターを設置するより安く済むことが多く、車内以外(自宅や外出先)でも使える汎用性があります。
コンテンツが無限大
タブレットであれば、Wi-Fi環境やテザリングを利用して、YouTube、ディズニープラス、Huluなどの最新コンテンツを視聴できます。お気に入りの映画を事前にダウンロードしておけば、通信環境が不安定な山道などでも途切れることなく楽しめます。
画面の持ち運びが可能
車を降りて目的地に着いた後も、そのままタブレットを持ち出してホテルや休憩所で続きを見ることができます。車内に固定されない「自由度」こそが、タブレット代用の最大の強みです。
音声の個別出力
Bluetoothイヤホンを使えば、後部座席の人だけが音を楽しむことができます。運転手は静かに運転に集中したり、ラジオを聴いたりすることができ、車内の「音の干渉」を防げます。
タブレット代用で注意すべきデメリットと対策
良いこと尽くめに見えるタブレット代用ですが、いくつか注意点もあります。
バッテリー問題: 長時間の視聴は充電が切れるリスクがあります。シガーソケットからUSB充電ができるアダプターを準備しておきましょう。
熱による故障: 夏場の車内は高温になります。タブレットを放置すると故障や発火の原因になるため、車を離れる際は必ず持ち出す必要があります。
落下の危険: 安価すぎるホルダーを使うと、走行中の振動や衝撃でタブレットが落下し、破損や怪我につながることがあります。
後付けで快適!タブレットをリアモニター化する方法
「リアモニターはいらないけれど、タブレットを手に持ち続けるのは疲れる」という方におすすめなのが、後付けの車載アクセサリーを活用する方法です。
1. ヘッドレスト固定ホルダーを選ぶ
最も一般的なのが、運転席や助手席のヘッドレストの支柱(シャフト)に固定するタイプです。
伸縮アーム型: 画面を座席の中間に持ってくることができるため、後部座席の二人で共有して見ることが可能です。
直接固定型: 画面が揺れにくく、安定した視聴が可能です。
2. インターネット環境の整備
車内で快適に動画を楽しむためには、通信環境が重要です。
スマホのテザリング: 手軽ですが、スマホのバッテリー消費とデータ容量に注意が必要です。
車載Wi-Fiルーター: 安定した通信を確保でき、複数のデバイスを同時に接続できます。
3. 音声環境の構築
車内のスピーカーから音を出したい場合は、Bluetoothでカーステレオと接続するか、FMトランスミッターを使用します。ただし、前述の通り運転への集中を考慮するなら、子供用にはヘッドセットを用意するのが賢明です。
リアモニターが必要なケースとは?
ここまで「タブレット代用」を推奨してきましたが、例外的にリアモニターを設置した方が良いケースもあります。
小さい子供が複数いる: 複数の子供が異なる場所から同じ大画面を見たい場合、大きなフリップダウンモニターの方が満足度が高いことがあります。
操作の簡略化: タブレットは自分で操作する必要がありますが、リアモニターは運転席のナビから一括制御できるため、小さな子供に操作を任せられない場合には便利です。
資産価値の維持: 高級車などで純正モニターが装備されていると、将来的なリセールバリュー(売却価格)にプラスの影響を与えることがあります。
失敗しないためのチェックリスト
導入前に、以下のポイントを確認してみてください。
主な視聴者は誰か?(幼児、小学生、大人)
何を見たいのか?(DVD、YouTube、録画番組)
予算はいくらか?(1万円以内、5万円、10万円以上)
車の使用頻度は?(週末のみ、毎日、年数回の長距離)
「たまにしか長距離を走らない」のであれば、間違いなくタブレット代用が最も効率的で満足度の高い選択肢となります。
まとめ:賢い選択で快適なドライブを
車のリアモニターは、必ずしも「なくてはならない装備」ではありません。デバイスの進化により、現在ではタブレットを活用したほうが安価で、かつ高機能なエンタメ環境を構築できるようになっています。
まずは数千円の車載ホルダーを試してみて、自分たちのライフスタイルに合っているか確認することから始めてみてはいかがでしょうか。配線工事や高額なオプション費用に悩まされることなく、最新の動画配信サービスを大画面で楽しむ。そんなスマートなカーライフが、家族の思い出をもっと楽しいものに変えてくれるはずです。
後部座席の不満を解消し、運転手も同乗者もストレスフリーなドライブを実現しましょう。