70代男性の薄毛治療薬を使うときの注意点
髪型でのカバーだけでなく、治療薬で薄毛改善を目指す70代男性は増えています。ただし、70代は体調や持病との兼ね合いも多く、安全に使うためには 若い世代とは異なるポイント を理解しておくことが重要です。
ここでは、70代男性が薄毛治療薬(内服薬・外用薬)を使う際に必ず押さえておきたい注意点をまとめます。
■ 1. 内服薬(フィナステリド・デュタステリド)を使うときの注意点
① 前立腺疾患の検査履歴を必ず確認
70代は前立腺肥大・前立腺がんのリスクが高い年代。
「フィナステリド」「デュタステリド」は PSA値(前立腺がんの検査指標)を下げてしまう ため、がんの発見を遅らせる恐れがあります。
✔ PSA検査の履歴がない人は、服用前に必ず検査を受けるのが必須。
② 持病の薬との飲み合わせチェックが重要
高血圧・糖尿病・心疾患などの薬を服用している方が多い年代。
相互作用で薬の効きが強くなったり弱くなったりするケースがあります。
✔ 特に血圧の薬・前立腺薬・抗凝固薬は要確認。
③ 肝機能に問題がないかの確認
フィナステリド・デュタステリドは 肝臓で代謝される ため、
高齢で肝機能が低下している場合、負担が大きくなります。
✔ 定期的な血液検査(AST/ALT)が推奨。
④ ホルモン変化による副作用リスクが若干上昇
・性欲低下
・勃起機能の低下
・倦怠感
などは高齢ほど出やすい傾向があります。
✔ 少しでも不調があれば無理せず医師と相談を。
■ 2. ミノキシジル内服薬を使うときの注意点
ミノキシジル内服薬は「血管拡張作用」が強い薬です。
70代では以下のリスクが高まります。
① 心疾患・高血圧の方は特に慎重に
ミノキシジルは血圧を下げる作用があります。
心臓に負担がかかり、動悸やむくみが出やすくなります。
✔ 心臓・血圧の病歴がある場合は医師の管理下でのみ使用。
② むくみ(浮腫)が出やすい
高齢になるほど循環機能が低下し、
ミノキシジルの副作用としての 足のむくみ が強く出ることがあります。
✔ 靴下の跡が強い・体重の急増があれば中止して受診。
③ 掃除が大変なほど全身多毛になることも
70代男性では「体毛が濃くなる」「顔に産毛が増える」副作用が出やすいです。
不快感が強ければ用量調整を。
■ 3. 外用ミノキシジル(塗り薬)を使うときの注意点
外用薬は比較的安全ですが、70代の場合以下に注意。
① 皮膚が乾燥しやすいので刺激が出やすい
・赤み
・かゆみ
・フケの増加
が起こりやすい年齢です。
✔ アルコール濃度が低めのタイプを選ぶと負担が少ない。
② 塗りすぎに注意
「効かないから多めに」のやり方は逆効果。
皮膚トラブルが増えます。
■ 4. 薄毛治療と髪型を組み合わせる「70代向け安全な進め方」
① まずは髪型で自然にカバーしながら治療開始
70代におすすめの髪型は
・トップ短め+サイドすっきり
・薄い部分を活かすショートレイヤー
など「ボリュームが見えるバランス」。
治療の効果が出るまでの3〜6ヶ月は髪型でうまく補うと良いです。
② 内服薬は“最小限の量から”が基本
・半量
・隔日投与
など、シニア向けの慎重な開始方法があります。
③ 必ず定期検査を組み合わせる
70代男性の薄毛治療は
“安全性の管理”=効果より大事
と言っていいほど。
・PSA
・肝機能
・血圧
・心機能
は最低でも6〜12ヶ月ごとにチェック。
■ 5. 70代男性が薄毛治療薬を安全に使うためのまとめ
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| PSA検査 | 前立腺がんの見落とし防止 |
| 持病薬の飲み合わせ確認 | 相互作用の可能性 |
| 肝・腎機能のチェック | 薬の代謝能力が低下しているため |
| 心臓・血圧の状態の確認 | ミノキシジルの血管作用 |
| 定期検査の継続 | 70代は体調変化が起きやすい |
| 髪型での補完 | 効果が出るまで見た目を自然に保つ |